治す医療から「ともに向き合う医療」へ


脳の病気を指摘されたとき、多くの方は「何が起きているのか分からない」「これからどうなるのか不安」という思いを抱かれます。私たちが大切にしているのは、単に病変を見つけ、治療を行うことだけではありません。その病気とともに生きる“一人の人としての患者さん”に、どう向き合うか。そこに、脳神経外科医療の本質があると考えています。

医療は、人生の一部に寄り添う営み

医療は科学であり、技術です。しかし同時に、それだけでは完結しません。患者さんにはそれぞれ、ご家族との時間、仕事や学業、これから叶えたい未来があります。私たちは、病気だけを見るのではなく、その方の人生の文脈の中で、治療を考えることを重視しています。「どこまで治療を目指すのか」「何を大切にしたいのか」。その対話を丁寧に重ねることが、最良の医療につながると信じています。

脳神経外科としての専門性と責任

当院の脳神経外科は、1994年の設立以来、この武蔵小杉の地で長年にわたり、脳神経疾患の診療に携わってきました。特に、間脳下垂体疾患、悪性脳腫瘍を含む脳腫瘍、脳血管障害を当科の三つの柱とし、診断、手術、薬物療法、放射線療法、救急対応まで、患者さんごとに必要な医療を組み立て、提供します。確かな診断力と、時代に即した治療技術を積み重ねてきたことが、現在の医療体制の基盤となっています。

患者さまと医師が向き合う治療を

脳の病気では、治療の選択肢が一つではないことも少なくありません。私たちはメリットだけでなく、リスクも隠さず、専門用語をできる限りかみ砕いてご本人とご家族が理解・納得できるまで説明することを大切にしています。そして、「医師が決める」のではなく、「一緒に決める」 その姿勢を診療の基本としています。

技術の前に、人として向き合うこと

高度な手術や最先端の治療法は、それ自体が目的ではありません。目の前の患者さんにとって「今、何が最善か」を冷静に見極め、必要なときに、必要な治療を、適切な形で提供する。そのために、手術・内視鏡・カテーテル治療などすべての選択肢を持つことが重要だと考えています。

病気は、人生に突然訪れます。だからこそ、医療の現場には安心できる説明と、信頼できる伴走者が必要です。私たちはこれからも、患者さんとご家族が「ここで診てもらえてよかった」 そう感じていただける脳神経外科であり続けたいと考えています。